大谷の歴史や大谷石を知るなら石の里「大谷」。むきだしの岩肌などその独特な景観は、見る人を圧倒させます。間近に迫る岸壁や巨大な地下採石場跡、大谷石造りの観音像など見どころ満載。
時間をかけてのんびり散策したくなる歴史ただよう石の町です。
崖の上に天狗が投げたという伝説の残る「天狗の投げ石」があります。今も落ちそうなバランスでのっている姿は、まさに天狗の仕業!?
現在は地震が起きても落ちないように補強してあります。
昔、蜂の大軍がこの町に攻めてきました。するとどこからともなく「親子がえる」が現われ、岩肌にしがみつき、蜂の大群と戦い身をもって住民を守ったといわれています。それ以来、住民は、カエルに感謝し、今も地守神様として言い伝えられています。
平和観音から大谷石の壁の間を抜けると、大谷寺があります。大谷寺は810年弘法大師による開基といわれています。古代人の横穴住宅に建てられた本堂は、風化した石壁との不思議な調和が魅力で、大谷寺本尊の「大谷観音(千手観音立像)」は、平安時代初期に立てられた石仏といわれ、柔らかな大谷石に複雑な千手観音を彫るのは高度な技術が必要です。さらに奥に進むと「釈迦三尊像」「阿弥陀三尊像」「薬師三尊像」が並び、堂内にある10体の石仏は国の特別史跡と重要文化財の二重指定を受けています。
大谷地区の北部に位置する大家石の採掘の歴史がわかる資料館。その地下には約2万平方メートルもの大谷石採石場跡が広がり、最深部で60m、平均8℃。その幻想的な雰囲気と迫力に圧倒されます。古代ローマの神殿を思わせ、音響のよい坑内は演劇やコンサートの会場として利用されています。また、映画やドラマなどの撮影場所としても多く利用されています。
大谷石の岩壁が連なる奇観を一望できる公園。姿川に沿った奇岩群の南端付近に位置し、御止山の美しい岩並みを楽しむことができます。
大谷エリアの奇岩は、古代から長い年月をかけて自然が創り出したものや、大谷石を採掘した跡に残された岩が周囲の自然と相まって奇岩と称せられるようになったものがあります。平成18年7月に、その奇岩群の中から「御止山(おとめやま)」と「越路岩(こしじいわ)」の2箇所が国の名勝に指定されました。
姿川に沿った奇岩群の北端に位置し、前面の水田に水を配した春先の代掻きの時期には、あたかも奇岩が海面にそびえ立っているように見えます。また、むき出しの岩肌と松が見事に調和して「陸の松島」「関東の耶馬溪(やばけい)」との賞賛も。
関東バス「JR宇都宮駅」行き約30分。終点下車