大谷石の産地「カネホン採石場」へ行ってみた!宇都宮に息づく大谷石文化とは?
平成30年度の日本遺産に認定された「大谷石文化」。
今回は、大谷石を使った様々なアクティビティを体験できる「カネホン採石場」でガイドをされている、宇都宮シティガイド協会の方々に大谷石の魅力をインタビューしてきました!

大谷石文化とは?
大谷石は、宇都宮市のまちづくりや日々の暮らしに溶け込み、今も貴重な資源として大切にされています。
たとえば、栃木県にお住まいの方は誰でも目にしたことがある、大谷石でできたかえるの置物。
大谷の町に昔から伝わる「無事にかえる」縁起物です。
大切な人の無事を祈って玄関先やリビングに飾ったりしていますね。
大谷石と共に生きているこの独自の文化は、平成30年度日本遺産「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮~」にも認定されています。
カネホン採石場へ
今回私が訪れた「カネホン採石場」は、現在も稼働中の採石場。大谷石の採石現場が見られる希少なスポットです!
土日祝日限定で、様々なアクティビティを体験できる観光スポットとして公開されています。
まずは受付
カネホン採石場のアクティビティは、「採石場ツアー」や「ジップライン」、大谷石ピザ窯による「Pizza焼き体験」や大谷石を使って石灯りや表札を作る「ものづくり体験」など盛り沢山!
他にも、隠されたキレイな天然石が発掘できる「宝探し」や、大谷石の端材を日本遺産のロゴ付きオリジナルバッグに詰める「大谷石端材詰め放題」もできます。
ご家族連れなど多くの観光客で賑わっていました!
- ジップラインハヤブサ
- 天空から大谷石採掘場を滑空!
高さ30m以上の大谷石岩壁を見ながら空中散歩を楽しめます。 
- ピザ焼き体験
- 大谷石窯で焼いた本格ピザを楽しめる!
スタッフに焼き方を教わり、絶品Pizzaを味わえます。 
- ものづくり体験
- 大谷石を使って灯りや表札などを作れる!
組立てたり、文字や絵を書いたり思い出の一品になります。 
採石場ツアー
今回私が参加した採石場ツアーは、普段はなかなか入れない、今なお稼働している採掘場を探索することができます。
30mを越えて切り立つ岩盤など壮大な景観に感動!
ガイドさんのお話を聞きながら、採掘現場に歩いていきます。
私がお話の中で特に印象に残ったのは、大谷石の搬出方法です。
約32cm×39cm×95cmに切り出された原石1本の重さは、なんと200kg以上!
現在は原石を2人で起こし、3本1組にしてワイヤーでまとめていくそうですが、昔の手堀り時代は1本150Kgもある石を「背負子(しょいこ)」を使って1人で背負って、1本1本採掘場から運び出していたそうです!
大谷石の歴史を学べる、あっという間の30分間でした。
ガイドの吉澤さんと白石さんにインタビュー!
採石場ツアーのガイドをしてくれた吉澤さんと、同じくツアーガイドをしている白石さんにインタビューをさせていただきました!
- 昔は掘った石をそのまま積み上げて土台などに使われていました。
他にも主に大谷の地域では瓦ではなく屋根に使われていたりもしましたよ。 
- なるほど。
地域の方々の生活にもなくてはならないものだったのですね。 
- やはり大切な資源で、生活の糧になっていたと思います。
今は大谷石を薄くスライスして壁に貼ったり、外装材内装材にも使われています。 
- なるほど。大谷石の優しい風合いからそのような使われ方もされているのですね。
地域の生活にも根ざした、大切な大谷石文化の保存や発展に向けた取り組みなどはありますか? 
- このガイドをしているのもその活動のひとつですが、昭和40年には120あった会社が、今は4社まで減ってしまいました。
日本遺産に認定されたので、これからも多くの方に大谷石の良さを伝えていきたいと思います。 
- ありがとうございます。
大谷石の文化を守るためにもこの活動があるのですね。
最後に記事を読んでくれている方々にお伝えしたいことはありますか? 
- 宇都宮にはこんな素晴らしい文化があることを知ってほしいです。特に、宇都宮に住んでいる人ほど、今の大谷を見ていただければと思います。

インタビューを終えて
日本遺産に認定されてから多くの方に注目していただいている中、「カネホン採石場は、昔は何もなかったんだよ」と懐かしそうに語っていた姿が印象的でした。
昔からある風景や歴史と、ジップラインなどの新たな観光資源が共存しています。これからも進化がとまらない大谷が、とても楽しみになりました!
カネホン採石場への行き方
■公共交通機関でお越しの方
①宇都宮駅からお越しの方
JR宇都宮駅西口〜『大谷経由立岩行き』バス35分→バス停「立岩」より徒歩約3分
②東武宇都宮駅からお越しの方
東武宇都宮駅→バス停『東武駅前』まで徒歩約4分→『大谷経由立岩行き』バス約22分→バス停「立岩」より徒歩約3分
■お車でお越しの方
東北自動車道『宇都宮IC』より約8分
東北自動車道『鹿沼IC』より約20分
『大谷資料館』から約2分
- カネホン採石場
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ライター紹介
- 小林愛也佳
- 生まれも育ちも宇都宮!
地元宇都宮のコミュニティFMでパーソナリティとして日々、宇都宮の魅力を発信しています。
趣味はお花鑑賞、ハイキング、温泉巡りです。
季節のおすすめスポットをご紹介していきます! 




















早速ですが、大谷石の採掘はいつ頃から始まったのですか?
昔は今のような機械ではなく手掘りで採掘されていました。
ツルハシによる手掘り時代の採掘法では「五十石(ごとういし)15cm×30cm×90cm」の石材を1本掘るために、4,000回も腕を振るったと言われます。
また石切り職人1人当たりの採掘量は、1日でたったの約10本でした。
今ある歴史的な建造物で、大谷石を使っている代表的な建物はありますか?
温度が上がると遠赤外線も出ますので、ピザも美味しく焼き上がります。
軽く柔らかいという特徴から様々な用途で使われているのですね。