「孤独のグルメ」にも登場!
宇都宮を代表する人気古典酒場「酒場 庄助」を徹底解剖
テレビ東京「孤独のグルメ」に登場する「酒場 庄助」は、昭和から続く宇都宮を代表する大衆酒場。「孤独のグルメ」ファンが聖地巡礼のように大勢訪れ、日本だけでなく海外からも呑みに来るほどの人気です。他にBS TBS「吉田類の酒場放浪記」、BS 11「太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選」など名だたる酒番組で紹介されるなど、全国区の知名度を誇る古典酒場です。
サラリーマンの出張時やグループ旅行の楽しみと言えば、ご当地の名物料理でお酒を楽しみたいと。「地元民に長く愛される安くて旨いお店に行きたい」、更に「テレビ番組で紹介された人気のお店に行ってみたい」というのが、共通の思いです。
出張者や観光客に人気なのが「酒場 庄助」というわけです。誰でも初めてのお店は緊張するもの。
常連客であり、店員としても働いている僕だからこそ紹介できる名酒場「酒場 庄助」のパーフェクトガイド。
これを読めば安心して来店でき、ゆっくりとお酒を堪能できます。
INDEX

「酒場 庄助」の歴史

「酒場 庄助」は昭和25年創業の75年の歴史があり、手作りの酒の肴を提供する大衆酒場。季節感を感じる新鮮なアテは1年中通っても飽きません。
二代目のマスターが6年前に急死して以降、それまで提供されていた刺身をはじめとする魚料理は提供できなくなりましたが、それ以外の料理を奥様の節子ママが三代目を引き継いで現在の営業スタイルになっています。
僕にとっては、35年通う馴染みの店。常連と呼ばれるにはまだまだひよっこで、親子二代で通う常連さんもいるほど。
昨年、いつものようにカウンターでひとり呑んでいると節子ママから「私含めて店員がみんな高齢で、忙しい週末手伝ってくれる人いないかなあ。お店が続かないよ」と相談され、酔った勢いで「僕でよければ」とどうも返事をしたらしい。その辺酔っていて覚えていないのだが…。「ミイラ取りがミイラに」ごとく、酒呑みが酒場の店員になってしまいました。副業禁止のため、純粋な無償ボランティアとして、酒付き賄いをご提供いただけるという、酒呑みにとってありがたく、馴染みの店を守れるということで協力することになりました。
働いてみると今まで知らなかった「酒場 庄助」の魅力と人気の理由がわかりました。
お客と店員の両面を知るからこそわかる人気酒場「酒場 庄助」の魅力を紹介していきます。
「酒場 庄助」の営業時間・定休日・アクセス
営業時間は17:00から22:00まで。
ラストオーダーは飲み物も食べ物もすべて21:30まで。
22:00完全閉店になりますのでお早めに注文を済ませましょう。
定休日は日曜日、祝祭日、月曜日になります。
お店は栃木県庁前にあり、宇都宮駅からタクシーの場合は「塙田(はなわだ)十文字」と伝えてください。クルマで約10分。
徒歩の場合、JR宇都宮駅西口から約25分。
バスの場合、県庁東下車で徒歩約1分/県総合文化センター下車で徒歩約3分/県庁前下車で徒歩約5分です。
酒場 庄助
栃木県宇都宮市塙田2-2-3
電話:028-622-3506
※予約可能
「酒場 庄助」ならではの店内ルール(注文方法、会計方法)
「酒場 庄助」には他のお店にない独自ルールがあります。あらかじめ知っておくと初見でも安心して楽しめます。
金曜日、土曜日の週末は大変込み合いますので、予め予約することを強くお勧めします。
わざわざ遠方から目指した目的の店が満席で入れないのは、酒呑みにとって何事にも耐えがたい苦痛ですものね。

【お品書き】
料理のメニューは店内の黒板1枚のみ。入店したらスマートフォンで黒板メニューを撮影して料理を選びましょう。

【注文の仕方】
席に着くと紙と鉛筆があるので、料理の注文は紙に書いて店員に渡してください。昔は宇都宮競輪場のマークシートの裏を使用していました。
ヤキトリの注文は種類から選んで合計2本から、1種類2本からではないので「ネギマ 塩 1本、レバー タレ 1本」というように注文。塩かタレか好みの味付けを忘れずに。つくねだけは1人前2本からになります。
飲み物は紙に書かず、その都度、店員さんに直接注文してください。
【奥座敷の入り方】
奥座敷の席に案内されたら奥入り口扉を開けて、中庭に入り下駄箱で靴を脱いで奥座敷にお入りください。トイレ横の座敷から上がろうとするとお店のおばあちゃんに怒られる場合があります(笑)。

【喫煙所】
店内禁煙ですが、素敵な中庭に喫煙スペースがあるのでそちらを利用してください。
【お会計】
日替わりの手づくり料理が多く料理に値段がありません。1品500円から高くても1,000円以内なので安心です。
会計は店員に伝えると、合計金額を書いた紙を持って来てもらえるので、席か帰り際カウンターで支払います。現金のみになりますのでご注意ください。
「酒場 庄助」で提供されるお酒のメニュー

【日本酒】
「酒場 庄助」で提供される日本酒は福島県産「末広」の辛口のみ。
常温、燗、冷酒と選べます。
【焼酎】
焼酎の種類は、麦焼酎が「いいちこ」、芋焼酎は「黒霧島」か茨城県産「漫遊記(まんゆうき)」。茨城県は干し芋の名産地ゆえに芋焼酎も美味しいです。注文時にロック、水割り、炭酸割り、お湯割りと好みの呑み方を。
甲類焼酎は茨城県産「明利(めいり)」のみ。チューハイ、ウーロンハイ、ホッピーに使用する焼酎は「明利」の1合徳利で提供されます。焼酎と割材が別々に提供されるので、お好みの濃さで召し上がってください。チューハイには炭酸とカットレモンが、ウーロンハイには500mlのペットボトルの烏龍茶がついてきます。焼酎だけのおかわりもでき、1合徳利を追加注文できます。
ボトルキープはハーフボトルか一升瓶で、半年間有効です。
宇都宮のご当地ハイボール「宇都宮酢っきりハイボール」はメニューに書かれていませんので、飲みたい方はチューハイセットを注文して「レモンではなくお酢をお願いします」と言ってください。
焼酎に炭酸、宇都宮酢っきりハイボールの素がセットで提供されますのでお好みで割ってお召し上がりください。
【梅酒】
梅酒は「明利45度」を使用した自家製。甘みを抑えたすっきりとした味わいで料理の邪魔をしません。ロックか炭酸割りでどうぞ。
【ビール】
アサヒスーパードライのみ。生ビール(タンブラーまたは大ジョッキ)または大瓶で提供します。
黒ビールとノンアルコールビールもあります。
【ウイスキー】
ウイスキーはサントリー「角」のみ。
ハイボールはダブルで提供されます。
ボトルキープは半年間有効。
【ソフトドリンク】
ソフトドリンクはコーラと烏龍茶。
お酒の注文は紙に書かないで直接店員に口頭で注文してください。
「酒場 庄助」の美味しい酒のつまみの数々

【青菜と油揚げの炒め物】
カウンターの大皿料理。

【ピリカラ玉こんにゃく】
カウンターの大皿料理。通年で提供されます。

【里芋煮】
カウンターの大皿料理。あかもみだけからいい出汁がでています。

【かぼちゃ煮】
カウンターの大皿料理。庄助ではマヨネーズが添えられます。かぼちゃの甘みとマヨネーズがクリームチーズのような味でスイーツのように。

【ヤキトリ】
ネギマ(鶏)、皮(鶏)、ぼんじり(鶏)、レバー(鶏)、ハツ(豚)、タン(豚)、カシラ(豚)、ナンコツ(豚)の部位から選べます。
2本以上から注文可能。タレか塩かも注文時に明記してください。
日によって無い部位があるので、黒板を確認してください。

【つくね】
自家製つくねは2本から注文できます。
基本はタレ焼きですが塩焼きでも注文できます。

【ポテトサラダ】
自家製のポテトサラダはクリーミータイプ。
お好みでソースを付けて召し上がってください。

【あん肝ポン酢】
自家製のあん肝ポン酢。他に刺身系はまぐろぶつがあります。

【いか丸焼き】
炭火焼をショウガ醤油でさっぱりと。

【なす焼】
熱々をしょうが醤油で。僕は辛味噌をつけて食べます。

【山芋いそべ揚げ】
出汁に付けて召し上がってください。

【串カツ】
タマネギと豚ヒレ肉を使用したボリューミーな串カツ。

【メンチ】
ハムカツと人気を二分する手づくりジューシーメンチ。
「酒場 庄助」で食べるべき酒の肴人気ランキングベスト5
「孤独のグルメ」で井之頭五郎さんが召し上がったメニューは、庄助餃子、ハムカツ、もつ煮、ちたけ茄子煮、とうがらし焼、つくね、ゆずみそ、ちたけそうめん。実際にお店で注文数の多い酒の肴ベスト5を紹介します。
まず入店したらカウンターにある手作り総菜を見ましょう。季節の野菜を使ったお惣菜が並んでおり、すぐに出てくるので、それで一杯飲みましょう。

第一位【ゆずみそ】
「酒場 庄助」一番人気の「ゆずみそ」。
栃木県内産柚子を毎年11月23日、家族総出で約700個仕込みます。柚子の果肉をくり抜いた柚子窯に鰹節や調味料を混ぜ込んだ味噌を詰め込んで蒸します。軒下で寒風に晒すこと3週間。年末から新物として提供が開始されます。完成した柚子みそはスライスして提供されます。新物は新鮮な柚子の香りや風味を感じられ、熟成が進んだものは、深い味わいになります。
「ゆずみそ」には日本酒「末広」を合わせたい。夏は冷酒、冬は熱燗と食せば、ひと口頬張り、末広で流し込むと何とも言えない柚子みその香り鼻孔をくすぐります。
ゆずみそのもうひとつの楽しみ方として、メニューにはない「クリームチーズ」を注文できます。柚子みそにクリームチーズを乗せて食べてみる。発酵食品同士の掛け算でさらに美味しくなりお酒が進みます。正月明けの新物のフレッシュな時期は避け、夏過ぎの熟成が進んだゆずみそに合わせ楽しんでください。

第二位【ハムカツ】
庄助のハムカツはボロニアハムのみを使用しています。薄くスライスしたボロニアハムを薄い衣のパン粉でサクサクに揚げます。サックとした歯ごたえと軽い食感が、生ビールやハイボールに合います。
1皿4枚入り。

第三位【庄助ぎょうざ】
餃子の街宇都宮らしく焼餃子も大人気。
庄助の餃子はニラと豚ひき肉にヤーコンまたはクワイを加えたニラ餃子。栃木県はニラの生産量全国2位を誇り、その中でもママの故郷鹿沼市産の美味しいニラをたっぷりと使用しています。ニンニクを使用していないので女性にも大人気です。お酢、ラー油、お醤油の定番タレで食すところ、僕はたっぷりの胡椒に醤油を加えたタレで食べます。胡椒の辛さとニラの甘みでお酒が進みます。
1皿5個入り

第四位【納豆信田(なっとうしのだ)】
信田と書いて「しのだ」と呼びます。信田とは狐の好物が油揚げという言い伝えから、油揚げを使う料理全般につける名称です。庄助では、裏返した油揚げに刻みネギを和えた納豆とクリームチーズを入れて油で揚げます。揚げたてを温かい醤油ダレに付けて食べます。
1皿2個なので、3名様からは2皿以上注文してください。

第五位【もつ煮込み】
栃木県産豚の新鮮なもつを使用。じっくり煮込まれたシロとガツは臭みもなく、大ぶりにカットされたモツは大根、ニンジン、こんにゃくとともに白味噌で煮込まれ、柔らかくすっきりとした味わいです。
季節限定メニュー

【きのこ鍋】
「酒場 庄助」冬の名物鍋。節子ママが近隣の山々から採取したあかもみだけやはたけしめじ、つばたけ、あみたけ、さくらしめじ、ほうきたけなどの天然きのこを茹でて保存。きのこと白菜と豆腐、鶏肉をすっきりとした出汁で煮た鍋を、炭火の七輪に乗せて運ばれてきます。運ばれたらすぐに食べられ、炭で保温されているのでいつまでも熱々で召し上がれます。
きのこ鍋は天然きのこが採れる時期に左右され、甘く肉厚な白菜が出回らないと提供を開始しません。美味しいきのこの出汁をたっぷり吸った甘い白菜が主役となる鍋料理だと教えてもらいました。
〆のおじやとかうどんはできませんのあらかじめご了承を。
食べ終わり汁がなくなったら店員を呼んでさげてください。そのままにすると鍋が焦げたり割れたりする恐れがありますので。
【しもつかれ】
栃木県の代表的な郷土料理で、正月に食べた塩引き鮭の頭や節分に残った煎り豆に、大根、ニンジン、油揚げ、酒粕を煮てから冷やして食べます。見た目があまりよくないことから敬遠する人も多くいますが、ひと口ほおばり、末広の熱燗をグイっとひと呑み。
至福の時間が到来します。

【ちたけ茄子煮】
栃木県の郷土料理。夏に生えるきのこ「乳茸(ちちたけ)」と茄子を油で炒め煮にしたもの。乳茸はかさやじくを傷付けると白いお乳のような汁が出ることからその名がついています。きのこの食感を楽しむというよりは、乳茸の出汁を茄子に含ませて味わうもの。栃木県では、ちたけ茄子煮をめんつゆでのばしてそうめんと合わせる「ちたけそうめん」をよく食べます。「孤独のグルメ」でも井之頭五郎さんが店主に勧められ美味しそうに食べる姿が放送されました。基本、ちたけそうめんは提供しておりませんのご注意ください。
店内の見どころ
数々のテレビに登場した「酒場 庄助」の店内には、来店した有名人の残したサインやグッズがそこかしこに。記念写真を撮るお客様も多くいらっしゃいます。お酒とつまみを楽しみながら店内を見回せば、店を訪れた著名人の残像が見て取れます。



【「孤独のグルメ」で使用した張り子の虎】
カウンターには番組で実際に使用した張り子の虎3匹が飾ってあります。よく見ると虎のおしりには松重豊扮する井之頭五郎さんのサインが!松重豊さんではなく、井之頭五郎のサインってところがレアです。来店の記念写真撮影に。


【吉田類の酒場放浪記】
酒場詩人吉田類さんは「吉田類の酒場放浪記」撮影以外にもプライベートでも何度か来店しています。番組撮影時にいただいた番組名が入ったうちわが天井下に飾ってあります。また、入口右側の壁には「よき酒縁を」と書かれたお皿サインが。「酒縁」とは孤独死をするなど無縁社会となる現代において、酒場で酒を通じた縁でつながる「酒縁」を大事にして人と繋がり豊かな人生を楽しもうという吉田類さん提唱の言葉。「酒場 庄助」でよき酒縁を。

【著名人サイン】
庄助にはプライベートでも多くの有名人が訪れます。特に宇都宮市内でライブをするミュージシャンやDJが打ち上げで利用します。宇都宮出身のフライングキッズ浜崎貴司さんもよく来店されます。栃木県出身の斉藤和義さんやU字工事、DJの須永辰緒さんはじめ、県外からのアーティストも名酒場で一杯飲りたいとご来店します。
壁には「孤独のグルメ」にも常連客役で登場したU字工事のサインも飾ってあり、奥の壁にはライブの打ち上げで来店した浜崎貴司さん、奥田民生さん、トータス松本さん、レキシのみなさんの寄せ書きお皿サインが飾ってあります。
【おまけ】
「孤独のグルメ」で井之頭五郎役松重豊さんが座ったカウンターの席は、右奥から三番目の席です。松重豊さんファンはその席に座り記念撮影されます。まさに聖地巡礼ですね。

【生け花】
店内には節子ママが季節の草花を自ら生けた生け花があります。
店内を明るく華やかに演出しています。

【お土産】
来店の記念になるようなお土産はないかとの問い合わせが多く、市内の印刷屋からの助言で、「酒場 庄助」の提灯と先代のマスターが書いたメニュー黒板をアクリルキーホルダーにして販売しています。2種類それぞれ1個500円(税込)。
ライター紹介
- Kinmu of diggin
- 宇都宮には「酒場 庄助」だけでなく、人情味溢れる大衆酒場が点在しています。仕事帰りに、出張時に、呑み歩きに宇都宮で一杯飲みませんか?






























